ETCは今や標準装備と言ってもいいほどに、車には欠かせないものになってきています。NEXCO東日本のデータによると、平成30年5月のETC利用率は89.7%と、驚くことに9割ほどの人がETCを利用しています。
それだけの人が既に利用しているわけですから、今さら人には聞きづらいですよね。
そこで今回はETCを知らない人のために、ETCカードの申込み方法、注意点などをわかりやすく解説していきたいと思います。
目次
ETCカードの種類と申し込み方法

現在主流となっているETCカードの種類は、3つあります。
一般的なのは、クレジットカードを申し込むときの「付帯オプション」として申し込む方法です。それからクレジットカードを作らずに申し込む「ETCパーソナルカード」があります。
クレジットカードのオプションで作る場合は「分離型」か「一体型」の2種類のカードから選べますので、全部で3種類です。
一つずつ詳しく解説していきます。
クレジットカード分離型
一番よく選ばれているカードが、このクレジットカード分離型です。ETC専用カードとも呼ばれます。
ETC機能のみのカードですので、それだけで充分という人におすすめです。今クレジットカードを持っているなら、追加でETCカードを申し込む事で、簡単に手続きができます。
新規にクレジットカードを作る必要がないので、審査も必要なく比較的早く手に入れることができます。
ほとんどのクレジットカードに、ETCカード追加のオプションがあるため、新たにカードを作る必要がありません。
一番のデメリットはこの点でしょう。新規でクレジットカードを作りたい場合や、クレジットカードを持っていないけどETCカードを作りたい場合は、こちらを選ぶことになります。
個人事業主や法人会社向けの、法人用ETCカードというものもあります。
クレジットカード一体型
分離型と同様、クレジットカードの審査が必要となります。一体型は、1枚でクレジットカードとETCカードの役割を持っており、財布の中でかさばらないという利点があります。
煩わしいのが苦手な人にはおすすめのカードです。ですがデメリットとして、
- ETCカードを挿し忘れていたときなど、財布から慌てて出さなければならず面倒
- 逆にクレジットカードとして使いたいときに、ETC車載器に挿したまま忘れていたときに困る
- ETCカードを挿したまま忘れてしまうと、車上荒らしにあったときクレジットカードを不正利用される可能性がある。
クレジット機能もあるため、分離型よりも管理に気を使う必要があります。
また、分離型のほうが人気が高いためか、発行しているカード会社は減ってきています。一体型を提供しているカードには、
- 「ETC/JCBカード」
- 「イオン E-NEXCO pass カード」などのイオンカードの一体型クレジットカード
- 「ロードサービスVISAカード」
などがあります。
分離型、一体型はポイントが貯まる
分離型、一体型の特徴として、ポイントが貯まるというものがあります。
利用金額に応じてポイントが付与され、ポイントは作成したクレジットカードに加算されます。

また、それとは別にETCマイレージサービスというポイントサービスがあります。
これは高速道路を運営している会社が提供しているもので、カード会社のポイントとは関係なく別々にポイントが貯まるため、2重で貯められます。
ETCカードを作った際は登録しておくと良いでしょう。このポイントは通行料金の支払いに使えます。ETCマイレージサービスというwebサイトから登録することができます。
ETCカード(分離型、一体型)の具体的な申込み方法

すでにクレジットカードを持っているなら
もしすでにクレジットカードを持っていて、ETCカードを持っていないという場合は、申し込みは簡単です。
所持しているクレジットカードのホームページにログインして申し込むだけです。または電話で申し込むこともできます。
新規に作る場合と比べて審査がありませんので、日数も短めになっています。
ただし、アコムACマスターカードなど、ごくまれにETCカードを取り扱っていないクレジットカード会社もありますので、事前にチェックしておきましょう。
分離型、一体型の申し込み方法は?
分離型も一体型も、申し込み方法に大きな違いはありません。
電話して申込書を郵送してもらうこともできますが、主流なのはカード会社のホームページから直接申し込む方法です。
以下の画像のような、必要事項を入力して送信するだけなので、簡単でおすすめです。

分離型の場合は、申し込みの際に「ETCカードを追加で申し込む」というような、内容をチェックするだけになります。
ETCカードの名称や必要事項はカード会社によって違いますが、大体同じような書き方になっていますので、迷うことはないでしょう。
既にクレジットカードを持っている場合は、そのカードの公式サイトにログインし、簡単に申し込めます。
審査完了後にカードが発行されます。カード会社によっては進捗状況をログインして閲覧できたり、メールで届いたりします。
申し込みに必要な書類
クレジットカードを申し込むにあたって必要な書類がありますので、事前に確認して準備しておくとスムーズです。
- 身分証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証、マイナンバー、住民票など)
- 利用料金の引き落とし口座番号とお届け印
- 未成年の場合は保護者の身分証明書や印鑑
必要な書類はカード会社によって異なりますが、上記のようなものを要求されることが多いです。
身分証明に関しては、運転免許証がベストです。ETCカードを作るなら持っていることがほとんどでしょうから、それで問題ないでしょう。
具体的に必要なものは、作りたいカードのカード会社に事前に確認しておくと間違いないですね。
ETCカードの解約方法
ETCカードが不要になったときのために、申し込み前に解約方法も覚えておくと良いです。
カード会社によっては、クレジットカードも解約しなければならない場合があります。解約は基本的にはインターネットか電話での手続きになります。

ETCカード(分離型、一体型)申し込み時の注意点

ETCカードが先?車載器が先?

もう1つの理由は、万が一審査に通らなかった場合、先にETC車載器を買ってしまうとせっかく買ったものが無意味になってしまうからです。
ETC車載器とETCカードがなければ、ETCシステムは利用できません。
後述するETCパーソナルカードを作るという手もありますが、それを持つのに抵抗がある場合はお手上げです。

審査申し込みは一枚ずつ
ETCカードのためにクレジットカードを新規に作る場合は、複数枚一度に申し込むのではなく、1枚ずつ申し込むようにしましょう。
複数枚の申し込みは、審査時に良い印象を与えません。
今までクレジットカードを申し込んでなかった人が、急に何枚も申し込み始めたら「何かあるのでは?」と思ってしまいますよね。
年会費がかかるETCカードかどうか確認する
また、カードによっては年会費・発行手数料がかかる会社もありますが、かからないものも多いため、気になる方は、各費用が無料のものを選びましょう。
例えば、楽天カードは、クレジットカードの年会費は無料ですが、ETCカードの年会費がかかります。
もし年会費を払うのが嫌なのであれば、新規にクレジットカードを作ることも考えたほうが、いいかもしれません。
カードが届くまでの時間にも気をつけて
ETCカードが届くまでの時間はそれなりにかかります。
ETCカードのほうがクレジットカードよりも先に届く場合もありますが、通常は1週間から2週間かかる場合が多いです。

ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードのメリット
ETCパーソナルカードは、NEXCOなどの高速道路運営会社が発行しているカードで、クレジットカードを持っていない、作りたくない、または無職などで作れない人向けのカードです。
一番のメリットは「クレジットカードを作る必要がない」ということです。
メリットはほぼこれ一つですので、あまり良さを感じられないと思われるかもしれませんが、クレジットカードを作る必要がなく、審査が不要というのは、それを補って余りあるメリットになります。
信用情報がブラックの場合でも、ETCパーソナルカードなら作れてしまうのです。
ETCパーソナルカードのデメリット
デメリットは以下のようにメリットよりも多いです。
- 年会費1,234円がかかる
- 保証金(デポジット)が最低でも2万円必要
- クレジットカードへのポイントの付与はない
- 申し込みは郵送のみで、インターネットからはできない
一番のデメリットは保証金ですが、これは審査が不要というメリットを受けるためには仕方がないと言えます。
ですが、頻繁に利用しないなら2万円でETCカードが持てるというのは、クレジットカードを作れない人にとっては、大きなメリットかもしれません。
信用情報がブラックでも作ることができる数少ないカードです。
ETCパーソナルカードの申し込み方法は?

クレジットカード分離型・一体型の申し込みはインターネットからが一般的ですが、ETCパーソナルカードは基本的に郵送のみです。
電話で申込書を送ってもらうか、サービスエリアやパーキングエリアで入手することになります。
サービスエリアなどは行く予定がなければ入手が難しいため、時間はかかりますが電話のほうが簡単です。ETCパーソナルカード事務局に電話をして、申込書を送ってもらいます。
(土日、祝日、年末年始除く9:00~17:00)
図の緑で囲んだ部分を記入します。

ステップ1
- 日付
- 申込者本人の名前
- 性別
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 勤務先(または学校名)
を書きます。
ステップ2
ETCパーソナルカードは申込者が未成年でも申し込めますが、その場合には親権者がこの欄を記入しなければいけません。
それに加えて、親権者と未成年の申込者との関係を証明するために、住民票などの書類も添付します。
ステップ3
この欄では任意のデポジット額を選択します。月の平均で利用する予定の額を算出し、対応する右の欄をチェックします。
利用予定額の4倍がデポジットになります。

心配であればゆとりをもって多めの額で申請すると良いと思いますが、そのぶん預託金も増えますので注意してください。以上のことを踏まえた上でデポジット額を決めましょう。
ステップ4
ここには口座番号を記入しますが、利用料金はこの口座から引き落とされることになります。
通常の金融機関かゆうちょ銀行のどちらか一つを記入します。両方記入されていた場合、申し込みできないこともありますので注意してください。
ステップ5
⑤には、④と同じ金融機関を記入し、お届け印を捺印します。
以上の項目が書き終わったら、間違いがないことを確認してください。
書類に不備や記入漏れ、間違いなどがあった場合は受付できませんので、必ず確認しましょう。
終わったら「運転免許証コピー貼付欄」に運転免許証のコピーを貼り付け、控え以外の書類を付属している封筒で返送します。
ETCパーソナルカード申し込み時の注意点

カードが届くまで時間がかかる
申し込みには電話して申込書を送ってもらい、返送して、また郵送してもらい・・・と、インターネットでの申し込みと比べて手間がかかります。
最初の電話での申込書郵送からカードが届くまでは、1ヵ月ほどかかる点に注意しましょう。
利用限度額に注意!
ETCパーソナルカードは、その特徴から利用限度額が設定されています。
停止されたのに気づかずに、ETCゲートを通ろうとしてぶつかってしまうということもあり得ますので、限度額を超えた利用には十分注意しましょう。
デポジットは利用中は返金してもらえない
預けたデポジットは解約時には返金されますが、それまでは預けたままになります。
また、4,0000円預けていたデポジットを、利用頻度が低くなったから20,000円に減額してもらうといったこともできません。
デポジット額はよく考えて決めましょう。
盗難や紛失の保証がない
悪用された場合には、泣き寝入りするしかなくなります。
利用限度額を超えれば停止されますので、一定額以上の被害はないですが、保管には注意が必要です。
以上のことを踏まえて申し込みましょう。
解約時にはカードの返却が必要
分離型・一体型のETCカードは、解約後は自分でカードを破棄するケースが多いですが、ETCパーソナルカードは返却する規定となっています。
使用しないからといって、破棄しないように注意しましょう。
ETCカード申し込みに関するQ&A


ETCパーソナルカードなら、デポジットを預託できるならほぼ作れると言っていいでしょう。
クレジットカード分離型や一体型の場合は、クレジットカードの審査があり、収入などの信用情報で変わりますので、一概には言えません。
通るかどうかはカード会社の判断次第ですので、申し込んでみるしかありません。

ETCカードを作る際にクレジットカードの作成は必要ですが、ETCの利用時にクレジットカードを使うわけではありません。
ETC専用のカードを使います。ETC車載器にクレジットカードを入れても使えませんので注意しましょう。


クレジットカードはさまざまな種類がありますので、どれにしたらいいか迷うことと思います。
特にない場合は「Orico Card THE POINT」や「リクルートカード」などポイントの還元率が高いものを選ぶと、誰にもメリットがあるのでおすすめです。

個人でクレジットカードを作らずに、ETCカードを手に入れるには、ETCパーソナルカードを申し込むしかありません。
クレジットカード分離型・一体型のETCカードは、クレジットカードの作成が必須となっています。

カード会社によっては、クレジットカードより先にETCカードが先に届くことはよくあります。大抵は別々の発送になっています。
審査に落ちた場合は、ETCカードも届きません。ETCカードが届いたということは審査は通過しています。


高速道路をそんなに頻繁に利用するわけではないので、ETC車載器を取り付けるのはもったいないと感じている人もいると思います。
結論から言うと、ETCカードだけでも支払いは可能です。ETCレーンではなく、一般のレーンで手渡しすることで支払います。
ただし最大のメリットであるETC割引は受けられないため、「支払いが少し楽になった」くらいの得しかありません。
損はしませんので初期投資として割り切ったほうがいいでしょう。

サービスとしてETCカードを貸し出している店もありますが、あまり多くはありません。
車はレンタカーでも自分のETCカードを使うことができます。マイカーを持っていなくても、レンタカーを利用する頻度が高い場合は、ETCカードを作っておくのも良いでしょう。

ETC2.0を利用するには、対応するETC車載器を使う必要がありますが、ETCカードに関してはそういった区別はなく、今までどおりのカードで利用することができます。
まとめ
今回はETCの基本的な知識について紹介しましたが、お分かりいただけたでしょうか。
ETCカードを作るときにまず考えるべきことは、クレジットカードを作るのかどうかということです。作るなら分離型か一体型、作らないならETCパーソナルカードを選ぶことになるでしょう。
クレジットカードの審査は人によっては面倒だったり、大きな壁になることもありますが、ETCパーソナルカードは、他のカードに比べると使い勝手があまり良いとは言えません。

ETCを利用するには最初の手続きがいろいろありますが、使えるようになれば大変お得で役に立つものです。
ぜひ今回の記事を参考に申し込んでみてください。