普通はETCを利用するには、ETCカードが必要です。
ですが、ETCカードを作るのはそんなに簡単というわけではありません。時間も手間もかかります。

と感じたり、ETCカードは作りたくてもクレジットカードが作れなかったり、作りたくなかったりと人によっては悩むところだと思います。
そんな人たちのために、なんとETCをレンタルできるサービスがあるんです。今回は特定の人、特定の場面で役立つこのサービスについてご紹介します。
なお、ETCカードのレンタルを提供しているレンタカー会社はいくつかありますが、大手ならどのレンタカー会社も、大きな違いはないと思って問題ありません。
目次
ETCカードのレンタルはどんなときに役に立つ?

最近では、ETCが普及していることもあって、レンタカーにもETC車載器が取り付けてあることがほとんどです。
今まではレンタカーでも借りる人が自分のETCカードを使うことが普通でした。
ですからETCカードを持っている人は、

と思うかもしれませんが、持っている場合でも、いざというときに役に立つのがこのサービスです。一体どんな人や場面で役に立つのでしょうか。
ETCカードを持ってくるのを忘れてしまった場合
自分のETCカードを持っているにもかかわらず、持ってくるのを忘れた場合には、役立つサービスです。
料金もリーズナブルなので痛手にはならないでしょう。旅先で自分のETCカードを落とすのが心配だから借りるというのも、考え方によってはありかもしれません。
免許は持っているけどマイカーやETCカードは持っていないという場合
都心部などの車が必要ない地域に住んでいる場合は、免許は持っているけどマイカーは持っていないという人がけっこう多いです。
当然、滅多に使わないのでETCカードを持っている人も少なくなります。

明日使いたいのにETCカードが見つからない場合
上記のような時々しか車に乗らない人は、ETCカードを持っていたとしても、どこにしまったのか忘れてしまうこともありますよね。

そんなときは諦めてレンタルしたほうが早いです。安いレンタル料だからこそできることですので、有効利用しない手はありません。
急な旅行などですぐにETCカードが必要な場合
旅行が急に決まったときや、冠婚葬祭の急用などですぐにETCカードが必要になる場合もあると思います。
そんなときにETCカードのレンタルサービスを使えば、何も用意することなく済みます。
ETCカードを作りたくても作れないという場合
ですが、事情があってクレジットカードが作れないという人や、作りたくないという人もいると思います。
そういう人にとっては、カード発行の審査を受けずにETCカードが使えるのは助かります。
ETCカードをレンタルする流れは?予約は必要?

ETCカードのレンタルは、レンタカー会社が提供しているサービスですので、基本的にはレンタカーを借りるときに、オプションとしてETCカードを借りるという形になります。
レンタカーを借りる際に、個人情報を伝えるため、別途身分証明書などを提示する必要はなく、同意書にサインをするだけで簡単に借りることができます。
まずは、自分が借りたい日時にその店舗でETCカードも借りられるかどうかを、事前に確認しておきます。
在庫の確認が取れたら予約をします。当日店舗に行き、同意書にサインをしてレンタル料を支払えば、ETCカードを渡してもらえます。
使用後は高速道路の通行料金を払います。
レンタル料金はいくら?高速料金の支払いは?

ETCカードのレンタル料金は?
日産レンタカーでは、ビジネス会員・ゴールド会員は無料になります。
また、オリックスレンタカーについては基本は324円ですが、「ETCカードレンタルプラン」というプランが期間限定であり、レンタカーを1台借りるとETCカード1枚がレンタル無料になります。
ただし、実施している店舗が限られているため注意が必要です。
高速料金の支払いはどうなる?ETC割引はできる?
高速料金は、レンタカーを返却するときに支払います。レンタカーの料金と一緒に払う場合もあります。
ETCカードのICチップに料金の情報が記録されているため、レンタカー会社に備え付けてあるETCの利用明細を発行できるプリンターで読み取って印刷し、その金額を支払います。

もちろんレンタカー会社に支払うのは、ETC割引が適用された(料金所で表示器に表示された)料金になります。
注意点として、基本的にはICチップに記録された料金を支払いますので、ICチップに記録されない、「通行止め時の乗り継ぎ料金調整」や「一部道路事業者の割引サービス」などに関しては、減額されていない金額を支払う必要があります。
レンタル料金を払ってまで使うメリットはあるのか?

ETCカードのレンタル料金は、どこのレンタカー会社も324円です。
ETC割引は、高速道路をどこからどこまで乗るかによって、また乗る日が休日なのか、何時に料金所を通過するかによって割引料金が変わってきます。
324円以上のETC割引があるのなら、レンタル料金を払ってでも借りたほうがいいと言えます。
また料金が安くなる以外の面でも、ETCを利用することで渋滞を回避できる場合もあり、料金所で停車して支払うという煩わしさもありません。
スマートICなども利用できますから、メリットのほうが多いと言えます。
レンタカーを借りるのは連休など、人が多くなる時期が多いでしょうから、渋滞を緩和できるETCシステムの利用は助かりますよね。
長時間の運転疲れを少しでも減らしたいなら、やはりレンタルは必須とも言えるサービスですね。
ETCカードレンタル時の注意事項

ETCカードを破損した場合は賠償金の支払いが必要
ETCカードはもともと取扱いに注意が必要なものですが、レンタルということであればさらに注意の必要があります。
ETC車載器に挿しっぱなしにするのはもちろん、ETCカードを入れた財布をズボンの後ろポケットに入れて、変形させてしまうといったことがないように気をつけましょう。
紛失時などの補償がないため注意
レンタルしたETCカードは、借りた側の責任で管理しなければなりません。
ただし、紛失や盗難に遭ったことを連絡していた場合は、利用者側に故意または重大な過失がない限りは、連絡した日の翌日以降に不正使用された通行料金については、負担しなくてもよいことになっています。
ETCカードが読み取れない場合は後日支払い
上記の破損や変形など、何らかの理由でETCカードの情報が読み取れない場合は、預り金10,000円を支払います。
その後、道路事業者からレンタカー会社に請求が来た時点で、預り金の過不足が生じた場合は、別途請求や返金があります。
10,000円の預り金に関する内容については、記載がないレンタカー会社もありますので、気になるなら事前に問い合わせておきましょう。
ETCシステムの利用に関するトラブルは自分で解決
例えば、料金所のETCレーンでスピードの出しすぎにより、開閉バーを破損させてしまった場合などは、利用者側が責任を負うことになります。
万が一、ETCカードの有効期限切れで開閉バーが開かずに破損させた場合など、ETCカードに問題がある場合は、レンタカー会社に問い合わせましょう。
ETCシステムに関することは、道路事業者に問い合わせてください。
ETCカードのみのレンタルはできない
どこのレンタカー会社もETCカードのみのレンタルは行っていないため、自分の車は持っているからETCカードのみ借りたいという人は、残念ながら利用できません。
同乗予定の人のETCカードを借りるか、即日発行できるETCカード、クレジットカードを作らなくても作れるETCカードなどを検討しましょう。
店舗によっては貸し出していないところもある
どの店舗でもETCカードを借りられるというわけではなく、一部では貸し出しを行っていない店舗があったり、枚数に限りが合ったりします。
事前に店舗に電話して確認しておくか、予約時に確認しておくことをおすすめします。
基本的に現金決済ができない
レンタカー会社は原則的に、クレジットカード決済の支払いのみとしているところが多いです。
高速料金のみ現金で支払える場合もありますが、Web支払い、店頭支払い共クレジットカード決済が普通です。
ただし、車種によっては指定された本人確認書類を提示することで、現金の支払いができる場合もあります。
車種はレンタカー会社により異なりますが、グレードの高い車、ハイエースなどサイズの大きい車、高級車、冷凍車やパワーゲート付きトラックなどの特殊な車が、クレジットカード決済のみとなり、それ以外が現金決済も可能になります。
詳しい車種はレンタカー会社のホームページで確認してみてください。
また、必要な本人確認書類は、
- 電気・ガス・水道などの公共料金の領収書
- 住民票
- 印鑑証明
- 健康保険証
- 住民基本台帳カード
- パスポート
- 特別永住者証明書または在留カード
- 社員証・学生証
などです。以上のものは一部ですので、詳細は問い合わせなどで確認することをおすすめします。
そもそもどうしてこういった形式になっているかというと、現金払いだと身分を明かすことがないため、相手が何者なのかわかりません。
そういう人に車を貸してそのまま逃げられると大変だからです。レンタカーを借りるときに免許証の提示はありますが、引っ越して更新していないなら、住所が古い場合もあります。
その反面、クレジットカードや公共料金の領収書だと、身分証明がしっかりできます。
証明書類は2ヵ月以内のものでなければいけませんので、住所が古いという可能性も低いです。
借りる側の立場だと不便なこともありますが、貸す側の立場に立ってみると、これは仕方がないことですね。
ETCカードがレンタルできるレンタカー会社

ETCカードがレンタルできる主要なレンタカー会社を一部ご紹介します。ETCカードレンタルについて記載されたページになります。
レンタカーを使わない場合、即日発行できるETCカードのほうが便利

ETCカードをレンタルできると聞いて喜んだのも束の間、レンタカーを借りなければならないと聞いて、がっかりしてしまった人もいるかもしれません。
すぐにETCカードが欲しい場合は、ETCカードを即日発行してくれるクレジットカード会社に申し込むと良いでしょう。
注意点としては、事前にインターネットで申し込んでおくこと、すべてのカウンターで受け取れるわけではないこと、連休前は混みやすく遅れる可能性もあることなどです。

ETCカードレンタルに関するQ&A


クレジットカード会社が発行するETCカードを作る際は審査が必要なため、ETCカードのレンタルにも審査があるのでは?と思う人もいるかもしれませんが、そういったものは一切なく、レンタカーを借りられるなら、誰でも借りることができます。
予約時にETCカードをレンタルしたい旨を伝えてください。

ETCカードをレンタルしたくても、借りたいと思っているレンタカー会社、レンタカーにETC車載器がなければ意味がありません。
例えばニッポンレンタカーは「全車にETC車載器標準搭載」と謳っていますが、屋久島・宮古島・奄美大島などの離島にある店舗では、搭載していない場合もあるとのことです。
どの会社も、ホームページで車種を見ると「ETC搭載」と書いてある場合もありますが、確実にレンタルしたい場合は、事前に問い合わせることを強くおすすめします。

レンタカー会社によっては、ワンウェイシステムというサービスを行っています。
これと同じくETCカードの場合も別の店舗に返却することが可能です。ただし、レンタカー会社や店舗によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
数年前までは、ETCカードのレンタルを行っているところはありませんでした。
ですが徐々に増えてきて、ここ最近では大手のレンタカー会社はほとんどがこのサービスを提供するようになりました。
ETCカードのレンタルは人や場面によっては、とても役に立つサービスです。レンタル料が安いので、抵抗なく借りることができます。
ただし、レンタカーも借りなければいけないというのが唯一使いにくいところです。
マイカーを持っている人にとってはあまり縁のないサービスですが、遠出したいときに「自分の軽自動車では疲れるので、大きな車を借りたい」といったときにはいいのではないでしょうか。
普段は縁のないものでも知識として知っておくことで、以外なところで役立ちます。こういったサービスを有効利用して、充実したカーライフを送りましょう。